カテゴリー: SR400 SR500 カスタムオーダー
SR400 カスタムオーダーの作業紹介

今回はカスタムオーダーの作業の一部を紹介します。
カスタムオーダーは古い車両を使用することが多いので完成にはレストア作業が欠かせません。
完成後はできるだけ長く綺麗に乗っていただけるように色々と工夫しながら製作しています。
フレームやスイングアームなどはフルオーダー車両の場合必ずパウダーコートで仕上げます。
パウダーコートの耐久性は折り紙付きです。他に変わるものはありません。
パウダーコートは下地のコーティングがありません。金属の素地に直接密着させるものですから下地がとても大切になります。
このスイングアームも普通に見えますが塗装を剥がすと・・・。
このように錆が眠っています。
古い塗装の上からペーパーで足付けをしてもこの錆が落とせません。
この状態で塗り替えたとしても何年かしたら下から錆が出てきます。
下地の最適な処理はブラストになります。
作業中は写真が撮りにくく、いい感じの写真はありませんがこの後綺麗に仕上がりました。
もう一つ紹介します。
フロントのキャリパーです。
キャリパーはアルミでできていますので鉄のような錆はありませんがフルードによる塗装の剥がれや腐食が目立つようになります。
これをスイングアームと同じようにブラストで処理をします。
表面の塗装がされている部分はドライブラストで下地処理をします。
ピストンが入る部分などはドライでは粗すぎますのでウエットブラストで滑らかに処理をします。
キャリパーに関しては3種類のブラストで処理をすることになります。
耐薬品性に優れたセラコートで仕上げます。
ピストンは指一本でスッと入るようになります。
このような作業を繰り返して完成します。
同じ部品でも腐食の違いなどでブラストの当て方も変わってきます。
外注できない理由の一つがここにあります。
SR500 カスタム紹介 其の一

SR500のカスタムを紹介します。
ベースはドラム型のSR500。
初期型キャストホイールを使用しフロント19インチ、リア18インチ。
タイヤはビンテージパターンのMT53タイプ。
フェンダーのクリアランスがギリギリですが歪みにくい頑丈なキャストホイールとそこそこ精度のあるタイヤのおかげで干渉はありません。
ディスクブレーキは初期型右キャリパーを使用しホール付きの初期型用ディスクローターを取り付けしました。
初期型キャリパーを選んだ理由は後述します。
純正のフロントフェンダーに手曲げのバーを取り付けました。
肉厚のステンレスパイプに砂を入れて手曲げです。
あえて磨かずソリッドのままステンレスの鈍い輝きと溶接焼けを楽しむことにしました。
アフターシールドの時間とアルゴンの量を調節し色を付けてみましたが・・・難しいです。
手曲げ特有の緩やかな曲がり具合とフォークのアウターチューブに直接マウントしているところが気に入っています。
初期型キャリパーを選んだ理由がこれで、1ポットのキャリパーでなければ干渉してバーが綺麗に取り付けられないからです。
エンジンはチューニングなしのストックをフルOHしました。
オイル上がり下がりのない綺麗な燃焼室、芯出しされてスムーズに回るクランク。
クランクのウエイトや圧縮などは変えずに組み立てましたので本来の500の良さが楽しめます。
腰上、クランクケースはセラコートでブラック。
クランクケースカバーと腰上の一部カバー類はアルミ地にクリヤコーティングで仕上げました。
キャブレターはFCR。
インジェクションの登場でキャブレター自体に時代を感じつつあることと、キャブレターの中でもMJNの登場でこのFCRが少し古くカッコよく見えたので取り付けました。
続きます。
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