SR500 Restore&Custom レストアとカスタムの記録 2

分解しますがその前に大切な作業があります。

それは点火のチェックです。

情報が全くない車両の場合、点火のチェックをしないと組み終わった後にまた分解することになりかねません。

分解前に確認する箇所、分解後に確認する箇所を分かっていないと時間ばかりかかります。

 

点火のチェックはチャージコイルのチェックに他なりません。

CDI、IGコイルなどは点検しません。壊れる可能性がほとんどないからです。

ただキルスイッチ関係はトラブルになりやすいのでCDI側で解除します。

メインキーも必要ありません。

これで点火しなければ断線を除いてチャージコイルのトラブルがほぼ確定します。

 

 

プラグを外して確認しようとしましたが、これは・・・。

 

 

 

新しいプラグで確認します。

火花の確認ができました。

 

 

では分解します。

あとは何とでもなります。

 

 

 

ずれています・・・。

後述します。

 

 

 

フレームと足回りだけになりました。

ここで分解は一旦終わります。

理由はシートに合わせてフレームの加工をするからです。

ワンオフシートの場合、全体のバランスを見ながらフレームを加工しますので足回りがないとわからないのです。

 

 

 

ループフレームを切り落としました。

 

 

続きます。

SR500 Restore&Custom レストアとカスタムの記録 1

HPのブログ限定で長編記事を書こうと思います。

【SR500 Restore&Custom レストアとカスタムの記録】と題しSR500を仕上げていく工程を載せたいと思います。

ビフォー、アフターだけではなく途中を知ってもらうことが大切だと考えていますので、今までもそのように伝えてきたつもりです。

当店が外注に頼らない理由なども含めて細かいこともお伝えしていくことができればと思います。

 

 

ではベース車の紹介から。

今回はSR400ではなくSR500です。

500である理由はありませんがこの車両にした理由はあります。

 

 

 

それはフレームが溶接加工されているからです。

 

 

 

溶接されているSRを選んだ理由はフレームを加工するからです。

加工といってもループ加工する程度のもの。

ここでノーマルのフレームのSRを選んでしまうとフレームを切断しないとダメになります。

そうすると元に戻せない為、世の中からノーマルのフレームが一つ消えることになります。

これが大きな問題で現在の世の中のカスタム事情を考えると将来ノーマルのフレームが無くなってしまうのではないかと思っています。

すでに加工されたフレームを使用することで増えることはなくても減ることはありません。

ところが面倒なんですよ。一度加工されたフレームを使うのが。

カスタムが変わるとループの形状やステーも全て変わりますのでノーマルを使う方が楽なんです。

しかし私がいなくなるような先の未来のためにできることは今しようと思っています。

長くなりましたがこのSRを選んだ理由は加工されたSRが目の前にあった、それだけです。

ちなみにフレーム加工のカスタム依頼に否定的な意見はまったくありません。

自分のバイクですから好きなようにするのが一番です。

 

 

 

 

車検証は確認していませんがエンジンは1985年、キャブは違うようです。

 

 

 

カスタムされています。

 

 

 

楽しみです。

今回はこの辺で。

 

 

SR400 カスタムオーダーの作業紹介

今回はカスタムオーダーの作業の一部を紹介します。

カスタムオーダーは古い車両を使用することが多いので完成にはレストア作業が欠かせません。

完成後はできるだけ長く綺麗に乗っていただけるように色々と工夫しながら製作しています。

 

フレームやスイングアームなどはフルオーダー車両の場合必ずパウダーコートで仕上げます。

パウダーコートの耐久性は折り紙付きです。他に変わるものはありません。

パウダーコートは下地のコーティングがありません。金属の素地に直接密着させるものですから下地がとても大切になります。

 

 

このスイングアームも普通に見えますが塗装を剥がすと・・・。

 

 

このように錆が眠っています。

古い塗装の上からペーパーで足付けをしてもこの錆が落とせません。

この状態で塗り替えたとしても何年かしたら下から錆が出てきます。

 

 

下地の最適な処理はブラストになります。

 

 

作業中は写真が撮りにくく、いい感じの写真はありませんがこの後綺麗に仕上がりました。

 

 

 

もう一つ紹介します。

フロントのキャリパーです。

キャリパーはアルミでできていますので鉄のような錆はありませんがフルードによる塗装の剥がれや腐食が目立つようになります。

 

 

これをスイングアームと同じようにブラストで処理をします。

表面の塗装がされている部分はドライブラストで下地処理をします。

ピストンが入る部分などはドライでは粗すぎますのでウエットブラストで滑らかに処理をします。

キャリパーに関しては3種類のブラストで処理をすることになります。

 

 

耐薬品性に優れたセラコートで仕上げます。

ピストンは指一本でスッと入るようになります。

 

 

 

このような作業を繰り返して完成します。

同じ部品でも腐食の違いなどでブラストの当て方も変わってきます。

外注できない理由の一つがここにあります。

 

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